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冬のキャンプ

 チータは体重約80kgのセントバーナード犬です。先生のお姉さん(鴨居羊子)が飼っていたセントバーナードは100kgぐらいあると言っていましたから、少し小さめだったんですね、あれでも。足を踏まれると痛いぐらいでしたけど。もう一つ大きくなれなかったのは、子犬の時に病気を患ったせいだと聞きました。そのせいで成長してからも身体が弱かったんですが、ちょっと面白い話があるんです。
 私には残念ながらお呼びがかからなかったのですが、ある年の暮れこと、先生は仲間を集めて大晦日に布引の川沿いでキャンプを張る計画を立てました。もちろん、ボディーガードとしてチータを連れていくことにして。大きな犬ですから何があっても安心ですよね。ただ、小さい時の病気の件がありますから、念のためにお医者さんに相談にいったらしいんです。そしたら、だめだと。こんな寒い中、しかも夜中に野外で過ごさせてはならぬと言われたらしいんです。もちろん連れていくのは諦めましたが、さぞや残念だったろうと思います。なんといっても日頃、どうだライオンのようだろうと自慢してましたからね、しかもスイスの雪山で活躍する救助犬のはずでしたから。でもそんなチータだからこそなおさら愛おしかったのではないでしょうか。

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