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四角形の力

 今から描こうとするキャンバスにしても紙にしても、大抵の場合は四角形ですよね。正方形を除けば横長か縦長かの2種類しかありません。これらはそれぞれ何も描いていなくても 横に向かう力、あるいは縦に伸びる力 を既に持っています。まずはこのことを知っていなければなりません。風景を描く時には横長の画面を、人物を描く時には縦長の画面を用意すれば何の問題もないのです。なぜならば、風景は横に広がろうとし、人物は縦に延びようとしていますから。これを反対にしてみるとどのようなことが起きるでしょうか。

 風景を縦長の画面に入れます。地平や、水平が持つ横に延びようとする力は食い止められ、空が上へ上へと延びていきます。ここでの主役は空ということになります。ということは、同じ風景でも木立や塔や上へ延びる力を持つ素材を主にしたい時は縦長にした方がよいという事ですね。人物の場合でも、横長の画面に入れた場合は人物そのものよりも取り巻いている環境を描くことになります。このように、画面が縦長か横長かということは描くべき素材に依存し、描かれたものはその内容を画面の持つ方向性に左右されます。


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