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対抗する力

 このように、画面の持つ方向性というのは強い力を持つので無視するわけにはいきません。この強い見えない力を最初のムーブメントとして、画面の組み立てを考えなければなりません。この力に対抗する新しい力を考えてみましょう。

 横長の画面で考えてみます。横長の画面が水平に広がる力を持っていることは前述しましたが、それに加えて、風景にしろ静物にしろ横に広がるモチーフは地平線や山並み、テーブルの横のラインなど横方向への流れを持っています。画面の持つ横方向への力をさらに強めるわけですね。このままでは水平方向への力ばかりで画面は安定して止まってしまいます。画面に動きを与えるためには、別方向への力を加える必要があります。ここではシンプルに縦方向へ力を加えてやります
 風景では何がありますか?縦に延びる力を持つもの。木立、建物、山、奥へ(画面上では上へ)延びてゆく川、道路等など。どうですか?これらはいずれも地平の広がりに比べれば小さな力ではありますが、近づいて画面に大きく入れられれば、構成上大きな要素となります。
 つまりは、単調になりがちな水平方向の力を垂直方向の力で動かしてやればいいんです。そこに構図としての緊張感が生まれるのです。静物の場合はモチーフの選択が自由なので、どのような力でも加えることが可能です。縦方向の力を持ったものは多数ありますよね。ビン、壷、花、等など。風景の場合も同じですが、あとはそれに球や三角、四角など別の要素を組み合わせれば、変化の度合はどんどん増していきます。


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